直流電気配線工事を施工しました

「自然の中にとけこむデザインの空間づくり」を得意とするフーム空間計画工房様http://humu.jp/は、エネルギーについても自然にとけこむスタイルを志向されています。東光電機工業はフーム空間計画工房様より、太陽光で発電した直流電力を交流転換しないで、直流のまま利用できないか、とのご相談を受け、直流配線工事の施工を請け負いました。

下の左の写真は、お客さまがご用意された太陽光パネル100W×8枚、右の写真は、直流で点灯する蛍光球電球です。



  

 
太陽光で発電された直流の電気は、通常は「パワーコンディショナー」により交流100Vに転換されています。家庭内で使用している電気機器のなかには、その交流を再び直流に転換して使用しているものがあり、直流→交流→直流の2度の転換でエネルギーの3割程度が、熱などとして失われています。(パソコンなどのアダプターに触ると熱くなっている、あれです。)

太陽光で発電した直流電気をバッテリーに蓄えたうえで、バッテリーの直流電気で直接、照明やノートパソコンの充電を賄いたい、一部だけでも、買電に頼らない「オフグリッド」を志向したいとのご要望を受け、想定される課題については以下のとおり対応することとしました。
 

・直流化により電流値が増えると、電線を太いものに交換する必要がある。

 →100Wの機器を使用する場合、交流100Vであれば流れる電流は1A(アンペア)。直流は一般に電圧が低いため(今回は12V)、そのまま100Wの機器を使用すると100W÷12V=8.3Aと約8倍の電流が流れます。照明については電球をLED電球や蛍光球など節電タイプにしましたが、ノートパソコンの充電を予定したため相応の電流を想定して、屋内配線のケーブルを太いものに交換しました。
  

・直流電流で点灯するLED電球(蛍光球電球)は日本では入手困難。

 →直流配電が普及しているドイツから、個人輸入業者を通じて入手しました。直流仕様LED電球の構造は、写真のようにいたってシンプルです。日本メーカーのLED電球は交流用であり、電球内で交流を直流に転換する構造のため、直流電源には対応しません。
 

・直流アダプター(コンセント)の形状について

 →直流電源を今後、携帯電話の充電に利用する場合などを勘案し、アダプターの形状はシガーソケット型を採用しました。これだとカー用品店にいろいろな商品が並んでいます。
 →直流12Vの壁付コンセントは、通常の交流100Vコンセントとは形状を変えて、直流12Vと交流100Vが万が一にも混同されないようにしました。ただし既存の配線器具に対応するものがないため、別用途の器具の側面に穴を空けて絶縁処理しました。
 

フーム空間計画工房様では、太陽光で発電した電力をバッテリーに蓄えたうえで、一部を直流のまま、残りを交流100Vに転換して使用されていますが、直流のまま使用している照明やノートパソコンの充電にはまったく支障がないとのことです。

 なお夏期は冬期よりも太陽光発電量が大きくなるため、フーム空間計画工房様では夏期の電力を使い切る独自の工夫をされています。


 

東光電機工業はこれからも、電気に関するさまざまなご要望に対応します!

以下の「オフグリッド基本キット」を98,000円(税抜)で販売していますので、お問い合わせ下さい。太陽光パネルとバッテリーに、白熱灯40Wタイプの電球3個と照明スタンド、携帯電話充電器が付いています。(設置工事費用は含まれていません。)停電時や防災用にもご利用可能です。

・太陽光パネル1枚(国産)120W

・バッテリー 100Ah ゲルタイプ

・直流12V LED電球3個+照明スタンド

・携帯電話充電器

・20Aコントローラー